2019 水可溶性油彩 キャンバス
長いうたた寝から目が覚めるように、気がつくとそこにいた。前にも来たような気がするが、具体的にどこかと言われればよくわからない。そんなことは以前にもあった。見覚えはっきりあるのにそれが具体的にどこか思い出そうとするとわからない。結局、それは夢で見た風景だったのだろうと結論づけた。
この目の前の風景も夢で見た風景なのだろうか。それとも今、夢を見ているのだろうか。それはどのように確かめたらいいのか。
草むらの中に一本だけ垂直に高く伸びる草があった。その先を目で追うと信じられない高さにまで届いている。顔をあげると眩しく、それは天の光の中に消えていた。